端緒
- 午前4時、東京都立川市にある警備保障会社の事務所に強盗が押し入ったと110番通報
- 強盗は壊れていた窓から押し入った
- 男2人が宿直の男性警備員を刺し、事務所内に保管していた現金4億9953万円を奪って逃走
- 各郵便局から預かった金
- 収納袋75袋、手提げバッグ11個、麻袋3袋
初動
- 警視庁通信指令本部から捜査関係各署に同報
- 「至急!至急!警視庁から各局。立川市○○町の××警備保障の事務所において強盗傷害事件発生。現金およそ6億円が強奪された模様。関係各課は出動願いたい。あわせて緊急配備を周辺各所に発令する!」
- 「警視庁から三機捜。立川市の○○警備で強盗傷害事件発生。直ちに臨場願いたい」
- 「三機捜から全分駐。密行中の各隊は立川市の○○警備保障に直ちに臨場して聞き込みにあたられたい」
- 臨場
- 立川警察署の刑事課員・鑑識係員
- 警視庁刑事部捜査一課から庶務担当の統括管理官
- 統括管理官からの連絡を受けた捜査一課長も重要事件だと判断し、課長公用車のサイレンを鳴らして緊急走行し臨場
- 捜査支援分析センター所長
- 捜査支援分析センターの機動分析係が防犯カメラ画像の回収に動いた
- 警備保障会社の正面入口上部の防犯カメラが犯行の一部始終を録画していた
- 事件現場はアパートの1階部分にある事務所で、2人組の男は建物脇の窓から内部に侵入、仮眠中の男性警備員に刃物を突きつけて脅したものの、抵抗を受けて切りつけながら粘着テープで拘束した
- さらに切りつけて脅し暗証番号を聞き出して開けた金庫から金を奪って逃走
- わずか19分間の犯行だった
- 監視カメラが2人組の男が使った車のナンバーも映していた
- 警備保障会社の正面入口上部の防犯カメラが犯行の一部始終を録画していた
- しかし緊急配備の網に被疑者はかからなかった
特別捜査本部設置~捜査~逮捕
- 立川警察署に特別捜査本部を設置
- 警視庁刑事部捜査一課からは殺人犯捜査第五係、強行犯捜査係の二個班が投入された
- 監視カメラ映像の分析から逃走車両が白いベンツだと判明
- ナンバーを照会したところ、東京都八王子市内の中古車販売店から盗まれたナンバープレートだったことも判明
- Nシステムで手配すると、逃走車両が現場から立川駅の北側にある新青梅街道へと向かって迂回する形で中央自動車道の国立府中ICから東京方面へと向かっていることが判明
- Nシステムの画像には運転車の男と後部座席の男の姿も映されていた
- 逃走車両は東京都心から埼玉を抜けて常磐自動車道へと入り、茨城県つくば市内の谷田部ICで下りるところまで確認されていた
- 捜査一課長から「茨城県内で白いベンツを探せ」という下命を受けた捜査一課や機動捜査隊の特捜本部員が茨城県に飛ぶ
- 捜査支援分析センターは被疑者2人組が八王子市内のコンビニで犯行に使用した手袋と粘着テープを購入したことを監視カメラで確認
- 事件発生から20日後に、実行犯のうち運転手役の男を東京都日野市内の実家で逮捕
- もう1人の元暴力団組員を全国に指名手配
- その2日後に元暴力団組員が東京都の品川駅に出頭し逮捕される
- その後の捜査で犯行計画の中心を担った中古車販売会社の経営者とその支援者ら20人以上が逮捕された
- その経営者がいきつけの美容室の男から「大金があるのに窓が壊れている警備会社があって、その警備員は抵抗しないよう教育されている」という話しを聞いたのが犯行に繋がった
- 経営者は100台以上の「飛ばし」の携帯電話を調達して犯行メンバーに貸与していたことも判明